洞窟撮影編1

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コラムニスト: むらいさち
Vol.10 洞窟撮影編1


洞窟の中、水面ギリギリから撮影してみると、 青が反射してとてもきれいでした

穴があったら入りたいほどの洞窟好き、むらいさちです。皆さん潜ってますかー! 「暑い暑い」と言いながら近場の海でも潜れる夏という季節が1番好きです。
さて、今回から2回にわたって洞窟フォトの撮り方をレクチャーしていこうと思います。簡単そうに見える洞窟での撮影、当然透明度がよくて流れがなければ、案外簡単なのですが、そうではない状況も多いです。透明度が悪い、うねりや波があるなどなど……。そんなときに大切なのは、やはりしっかり基礎を知っているかいないかです。ただ撮るだけなら誰でもできますが、せっかくならカッコよく撮りたいですよね。ということで今回から2回にわたって洞窟フォトの撮り方をやろうと思います。かなり地味な誌面になってますが、どうかご了承くださいませ……(汗)。
今回は、ダンゴウオだけでなく地形ポイントも魅力的な鳥取県の田後で、撮影してきました。もちろん撮影はすべてミラーレス一眼です。では、ゆるフォトスタートです!

「洞窟を撮影するにはどのレンズがいいですか?」とよく聞かれます。答えは、「できるだけ画角が広いレンズがいい」です。なぜかといえば、ほとんどの場合、洞窟の中は狭いからです。その状況で全体像を撮ろうとすると、当然画角が広いレンズが有効になります。


標準ズームではわかりにくい
まずは、同じ距離からレンズを変えて撮影。この写真は標準ズームレンズで撮りました。
穴の雰囲気は伝わりますが、全体が見えないのでちょっとわかりにくい写真になっています。


広角ズームでようやく洞窟っぽく
次に、広角ズームレンズを使い、先ほどより広い画角で撮影。
周りに黒い部分が写りはじめ、洞窟っぽさが出てきています。
標準レンズは確かに便利ですが、やはりそれだけでは、どうしても限界がきてしまいます。
わざわざワイドレンズを買わなくても、外付けのワイドレンズ(コンバージョンレンズ)を
装着できる機種であればそれでもかまいません。


ワイドレンズでわかりやすく
これは、ワイドレンズを一番広角側にして撮影。
周りが黒で囲まれて洞窟なのがわかりやすいですよね。
この穴の中はかなり狭く、これ以上後ろに下がれない状況でした。
せっかくならば全景を写したいので、やはりワイドレンズは必要です。

洞窟フォトでは、そのほとんどが暗い場所での撮影です。そこで失敗の多くが「手ブレ」によるものになります。暗いためにシャッタースピードが遅くなってしまい、起こる現象です。カメラの液晶画面で見たときは大丈夫だと思っても、パソコンで大きくしてみたらブレていたなんてこともあるでしょう。では、それを防ぐ方法とは?


残念さ全開
これは洞窟の中から、手持ちで撮影。暗い場所での撮影になるので、ブレブレに……。
せっかくの幻想的な光景なのに残念な感じに……。


カメラを固定する
そこで、僕がよくやる対処法は、海底にカメラを置いて撮影する方法です。
手ごろな岩があればそれを三脚がわりにしてもいいでしょう。カメラが1点だけでも固定されると、だいぶ違います。
目では明るく見えても、写真を撮るには暗いことも多いのです。
できる状況があれば、やっておいたほうが無難でしょう。


最高の写真を
そうやって写した1枚です。ちょっと固定するだけでも違ってきます。
なかなか行けない海だからこそ、その場でしっかりと形に残すことは重要です。
どんなに言葉で感動を伝えても、写真にはかないませんからね。

僕もそうですが、水中撮影では、露出補正(写真の明るさを調整するモード)を使うことはあまりありません。しかし、洞窟フォトでは、少しだけ露出補正の機能を使ったほうがいいときがあります。使ったことのない方も多いと思いますが、ほとんどのカメラで簡単に操作できるように備えられた機能です。では、どのように変わるか見ていきましょう。


補正なし
これは、露出補正をせずにカメラ任せにして写した1枚。真ん中の光の部分が、飛んでしまって白っぽい写真に……。
これは、画面の中に黒い部分が多いため、カメラが「暗いな〜」と認識して、自動的に明るく補正してくれているからです。
そのため、見た目より明るく写っているのです。思っていたものと違いますね……。


マイナス1補正
露出補正を「マイナス1」してみました、そうすると画面が暗くなりました。
そのぶん、真ん中の光の部分が青くなり、海の雰囲気が出てきました。
これは自分が見たときのイメージに近いです。


マイナス2補正
さらに暗く設定してみました。マイナス1補正よりも青の部分が濃く出てきて幻想的な写真になりました。
こうなると好みになりますが、僕は個人的にはマイナス1補正くらいがバランスがいいと思います。
撮影時に時間があれば、こうやって明るさをいろいろと補正してみて、自分のお気に入りの写真を見つけてみましょう。

今回のまとめ

今回は洞窟フォト前篇ということで、撮影方法を紹介しました。今のカメラは優秀なので、ただシャッターを押すだけでもしっかり写ってはくれます。でも、ちょっと注意して撮影するだけで、作品の質はさらに上がります。じつはその「ちょっとした注意」が水中撮影には大切なことなのです。少しでも参考になったら、ぜひ海で実践してみてくださいね。

使ったカメラと防水プロテクター


使ったカメラ:OLYMPUS OM-D E-M5
使ったハウジング:PT-EP08

コラムニスト

むらい さちさん
プロカメラマンなのに、メカが苦手という致命的な欠陥があるが、だからこそメカが苦手な女性の気持ちがよくわかると勝手に思い込みこの連載をスタート。6年目にして「ミラーレス編」へ。スタンスは変わらず「ゆるく楽しくミラーレス!」。

>>Official webサイト:muraisachi.com
>>月刊ダイバーで連載中

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