否定の現代社会に伝えるメッセージ 髙砂淳二×覚 和歌子「yes」

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コラムニスト:広井 さやか
vol.08 否定に溢れた現代社会に伝えるメッセージ 髙砂淳二×覚 和歌子写真詩集「yes」

髙砂淳二×覚 和歌子 yes
髙砂淳二オフィシャルwebサイト

海の中から生き物、虹、星空、風景…地球上のありとあらゆる自然を写真で切り取り続ける、自然写真家・髙砂淳二さん。 9月24日に、写真詩集「yes」が発売になりました。映画「千と千尋の神隠し」の主題歌を作詞した詩人・覚和歌子さんとのコラボレーション本です。
力強くも優しさに溢れた髙砂さんの写真と、覚さんのピュアでしなやかな詩の共鳴に、心を揺さぶられるに違いありません。

実は、髙砂淳二さんは私が一番好きな写真家です。
たくさんの写真家の方と仕事でお付き合いがある中で、こんなことを堂々と言ってもいいものか分かりませんが、月刊ダイバーで働く前から、もうずっとファンだったんです。それなので「しょうがないなぁ」と広い心でお許しください。笑

さて、そんなわけで新橋BOXで出版記念パーティーが開催されることを聞きつけた私、それはもう、興奮したのは言うまでもありません。

※月刊ダイバーの取材でお仕事をすることがあっても、私は大抵、オフィスでパソコンと仲良くしてますので、ちゃんとお会いする機会がなかったのです!泣

ということで、いつも以上に嬉々として(*´罒`*)ニヒヒ♡、パーティーへ行って参りました!

この「yes」は、普通に読んでも十分すぎるほど素晴らしいのですが、本では紹介されていない、パーティーで語られたエピソードを踏まえて読むと、より心に響くものがあります。出版記念パーティーを主催した河野透さんも「この裏話を皆さんに知ってもらいたい!」という思いからこのパーティーを企画されたそうです。
実際、私もそのエピソードを聞いてから読み直してみたら、もっと感動が深まりました。
ぜひ、みなさんも記事をチェックしてから「yes」を読んでみてくださいね。

海の仲間による髙砂淳二写真詩集「yes」出版記念パーティー

「yes」の出版記念パーティーが行われたのは、もはや恒例中の恒例、ダイバーが集まる飲食店新橋のBOXです。(場所柄、もちろん普通のサラリーマンの方にも人気です!)
ここ数ヶ月の間にも、著名な写真家のかたがたの出版記念パーティーが行われています。興味のある方は、一度行ってみてくださいね。

ちなみに、最近開催された出版記念パーティーの記事はこちらで読めます。
 ・古見きゅうさん、命懸けの写真集&写真展「TRUCK LAGOON」
 ・中村征夫さんの先生は、東京湾だった!写真絵本「ぼくの先生は東京湾」

パーティー当日は、タイトルの通り、店内を埋め尽くす60名オーバーのダイバーや海を愛する人たちが集まりました。中には、髙砂さんと仕事仲間でもあり、長年の友人でもある「情熱大陸」のムービーカメラマン、古島茂さんの姿も!
大きな拍手の中、髙砂さんがみんなの前に出てきました!いよいよ、パーティーのスタートです。

「yes」は、髙砂淳二さんがプロ30周年を迎える集大成ともいえる写真集です。
それに込めた、想いを語ってくれました。

タイトル「yes」に込められた思い

「色々なことを肯定したかったんです。今の世の中、あまりにも否定の『no』が多い。だから肯定の『yes』とつけました。」
「どんな人でも、この世に生まれてきたこと、大切な存在だよね、ということ。覚さんの詩と合わせて、ポジティブを表現したかったんです。」

髙砂さんの言葉を聞いた時、ふと思い出した言葉がありました。
「私は反戦運動には参加しません。ですが、平和運動なら喜んで参加します」
ノーベル平和賞を受賞したマザーテレサの言葉です。

平和と反戦。 意味としては同じことを言っているように思いますが、実はまったく違うことだと思います。
「平和」という肯定には、平和を願うポジティブな気持ちがあります。対して、「反戦」という否定には、怒りや憎しみの気持ちが生まれます。

このことに限らず、
『●●●に反対!』『●●●にNO!』
という否定ではなく、

『●●●にしよう』『●●●をつくろう』
という、肯定的でポジティブな表現がより良い世界をつくるのだと思います。

髙砂さんの「肯定したかった」という思いは、タイトルだけではなく、その作品からも伝わってきました。
覚さんがあとがきの中で、
“世界は肯定から生まれている。髙砂さんの写真はそれを教えてくれる”
と語られていましたが、私が髙砂さんの写真からなんとなく感じていても言葉で表現できなかったものは、それだったんだ!と、気付かされました。
そして、覚さんの詩との調和によって、そのメッセージが突き刺さるように、ビシバシ!と伝わってきたのは言うまでもありません。

髙砂淳二さん
髙砂淳二さん

一夜限り!髙砂さんの朗読によるスライドショー

なんと、この日は髙砂さん自らが読み手となり、詩を朗読してくれるとのこと!
ゆっくり、間をおきながらモニターに映し出される写真とともに、髙砂さんの落ち着きある、やさしい声が響きます。

朗読ははじめて、ということで緊張していたのか、1ページ目を読んだところで「笑わないでね」と言ってしまう、髙砂さんのかわいさ!笑
真面目に見ていたのに、逆に笑っちゃいますよね。

「朗読する予定だった人が、前日にダメになってしまって・・・。自分がやるしかないと。でも朗読って難しいじゃない?どうしようかと思ってね」・・・ということでしたが、これは髙砂さんに朗読させるためのワナだったのでは?という疑惑があとから持ち上がるほど、髙砂さんの朗読は素敵でした!
「深みがあって良かった」「はじめてとは思えないほど、読むのがうまかった」など、会場の皆さんも感動していました。

新橋BOX
お料理とお酒を楽しみながら、髙砂さんの語りを聞けるなんて、贅沢!

朗読する時に、髙砂さんが意識していたのは、ひらがなだけで書かれているページは、少し強めに読むということ。
「yes」の中には、ひらがなだけで書かれたページと、ひらがなと漢字が混ざったページ(要は通常のページ)があるのです。私はまったく意識していなかったのですが、言われてみると確かに!
実はこれには、大きな意味がありました。

「yes」に宿る、大いなる力

覚さんが自身の力で書いたものは、ひらがなと漢字。
言葉が降ってきたもの、大いなる力に書かせてもらったものは、ひらがな。

「千と千尋の神隠し」の主題歌『いつも何度でも』を書いたときも、詩が降ってきたのだそうです。
書くのを止められないくらい、どんどん詩が降ってきて、涙が溢れてくるのだそうです。

私なんて、待てど暮らせど、なにも降ってきやしません。必死に絞り出してやっと書いています。
覚さんは大いなる力の代弁者として、選ばれた方なのでしょうね。

この「yes」のために書いたときも、同様にたくさん詩が降ってきて、それがひらがなで書かれているところです。
確かに、ひらがなだけの部分と、通常の部分、ちょっと違います。とっても不思議。
ただ、どの詩もピュアでしなやかで美しく、髙砂さんの写真と見事に調和しています。
私はてっきり、写真を見てそのイメージで詩を詠んだのだと思っていたのですが、覚さんが創った、たくさんの詩の中から、写真を見てひとつひとつ、組み合わせていったのだそうです。
さぞ大変な作業だっただろうと想像したのですが、髙砂さんも、「yes」の編集者である尾崎靖さんも口を揃えて「その作業が、本当に楽しかった」と言っていたのが印象的でした。

そして、もう一つ魅力的なのが値段。お金のこと言うと、ちょっといやらしく思われるかもしれないですが、なんと1,000円です!
正直「この内容で…安すぎません?」と言いたくなってしまうほどですが、「もっともっと多くの人に“髙砂淳二”を知ってもらいたい」と、尾崎さんが頑張ってくれたそうです。

愛される巨匠、髙砂淳二

髙砂淳二さん
愛されてます!髙砂淳二さん

「髙砂淳二をもっとたくさんの人に知ってもらいたい」
と、熱く語った編集者の尾崎さん然り、髙砂さんは本当に愛される人だな〜と、パーティーの間ずっと思っていたのですが、それを一番痛感したのが古島さんによるサプライズ。

つい最近、10年ぶりにモルディブで髙砂さんと仕事をした時の密着ムービーをまとめて、この日のために特別に(!)ドキュメンタリーを作ってきてくれたのです!
私たちが普段目にするのは、髙砂さんが撮影した写真だけ。高砂ワールドの舞台裏はほぼ知らないわけです。
すごい体勢で撮影する髙砂さん、サンゴのリーフでフィンも履かずに波にもまれながら撮影する髙砂さん、じっとファインダーを見つめる髙砂さん・・・
かっこいい髙砂さんをたくさん見ることができました!と、同時に会場には何回も笑いが起きました。なぜでしょう?笑
きっとそれも、髙砂さんの愛されるキャラクターゆえ、なのだと思います。
まるで「情熱大陸」を見ているかのような、笑いあり、涙あり、そして愛が溢れる本当に素晴らしいムービーでした。
この日だけの限定公開なんて、惜しい〜〜〜!

もちろん、上映後は大盛り上がり!何度もリプレイされていました。
髙砂さんにとっては本当に嬉しいサプライズだったに違いありません。そして何より、作った古島さん本人も感激していました。

髙砂淳二さんと古島茂さん
サプライズムービー後、古島さん(写真右)とがっちり抱き合う髙砂淳二さん
感動的な瞬間でした!

巨匠なのに、物腰がやわらかで、優しそうで、親近感溢れる髙砂さん。お会いして改めて、たくさんの人に愛されている理由が分かりました。
そんな髙砂さんの人柄溢れる写真詩集「yes」に詰まった、たくさんのメッセージ。
多くの人たちに届くことを、この会場にいた皆さんが願ったのではないでしょうか^^

髙砂淳二写真詩集「yes」出版記念パーティー
最後は定番の集合写真!

おわりに

素敵な髙砂さんの魅力と、写真詩集「yes」の素晴らしさ、伝わったでしょうか?
「yes」に込められた想い、髙砂さんの伝えたかったメッセージ、ぜひ実際に手にして受け取ってくださいね。きっと、「yes」という言葉の持つ、プラスのパワーを感じることができますよ!

好評発売中!

 

髙砂淳二×覚和歌子 yes

yes
写真:髙砂淳二 詩:覚 和歌子
出版社:小学館
発売日:発売中
価格:1,000円(税別)
装丁:A5判横長/98頁

髙砂淳二さんと覚 和歌子さん、ふたりの出会いから生まれた「yes」は、「世界は肯定から生まれている」という、私たちが忙しい日常で忘れがちな自然の原則を思い出させてくれ、読後、心に温かい光を届けてくれるようなビジュアルブックです。

コラムニスト

広井さやか(web担当)
都市型のダイビングショップで、ダイバーデビュー!もちろん、ダイビング器材は、ライセンスを取る前にすべて揃えました。ウェットスーツは、トリコロールカラーでショップ名入り。一度見たら忘れられません。でもそろそろ、かっこいいウェットが着たい・・・笑
好きなもの:海、ダイビング、カメラ、お寿司、東方神起、ジャンプ写真、映画(STAR WARSとロードオブザリングは特別)、読書etc.

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