里海の自然に寄り添う

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コラムニスト:須原水紀
vol7 里海の自然に寄り添う


里海雪景色

石川県・能登島の海は、夏29℃、冬は5℃と寒暖の差があるため、海の四季をはっきりと感じることができます。その季節ごとの変化を如実に表してくれるのが海の植物である海藻や海草です。
そして、海と人が共に暮らす「里海」という理想郷が存在する能登島の海中には、海藻の森が広がっています。海藻で見る四季の移り変わり、変化する海中環境、それに合わせて繰り返される生態行動など、ひとつひとつの海藻にまつわるストーリーを、能登島の海藻に魅せられたガイド・須原水紀さんが美しい写真とともに紹介します。

この冬のはじめ、全国的に暖冬と言われ、水温も例年より高めであったり、降雪量が少なかったりと暖かいのは有難いことだが、冬の雪を楽しみにしている人々にとっては物足らず、ましてやスキー場を観光としている地域にとっては頭の痛い思いをされている。また、我が町の漁師たちもナマコが獲れない、海藻が育たないなどと心配する声をよく聞いた。一方、カキ養殖を営む漁師によると、今年の牡蠣は生育が良く品質が良いため、高値で売れると喜んでいる。そんな中で先日の全国的な寒波襲来により、この能登島の町もすっかりと雪に覆われて、一晩で50㎝以上の積雪をもたらし除雪が間に合わず道路通行が困難に陥っていた。


松島雪景色

私もこの大雪に家やサービス、ボートの除雪に汗を流した。確かに突然の猛烈な降雪には慌てたけれど、こうしてショベルを手にして雪を掻きわけることを懐かしんでいた。子供のころは雪遊びがてらに外に飛び出して、雪を集めるのを楽しんでいた記憶。登下校にずぶ濡れになる長靴の中でしもやけをこじらせた記憶。この地域で暮らしながら、その時々の自然のあり様に、人は一喜一憂しながらそれを受け入れ生活を続けている。黙々とボートに降り積もった雪をすくって海に落とし、あっという間に溶ける様子を楽しみながら、そんなことに思いふけってしまった。


ダンゴウオ

さて、生き物の姿がまばらになっていた能登島の海にも、少しずつ冬の生き物が現れ始める。ナイトダイビングではダンゴウオがホンダワラの上に乗っていたり、しびれるほど冷たい澄んだ水の中層に小さなカミクラゲが泳ぎ始めた。


カミクラゲ

海藻の森ではチャガラも色付き始めいよいよ婚姻の時期を迎える。ボートポイントでは、水深15mほどの砂地でウミサボテンやウミエラがニョキニョキと背を伸ばす。待ちに待ったマクロが楽しい時期がやって来た。


ウミサボテン

マクロレンズを用意して寒さにじっと耐えながら、小さな生き物を撮影する。そう、私たちダイバーも冬の海の冷たさにかじかむ手を耐えながら、めぐり合う生き物に一喜一憂しながら楽しむ者の一人であると気づく。


ヒトデ

コラムニスト

須原 水紀(すはら・みずき)さん
生まれ故郷である能登のダイビングサービス<能登島ダイビングリゾート>でガイドとして勤務。海藻への愛と情熱はピカイチ。また、マクロ生物も大好きで、海藻に付くマクロ生物を探し出す眼は「顕微鏡の眼力」といわれるほど。

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