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堀口和重の撮ったどぉ〜!ライトアップ獲物図録

コラムニスト:堀口和重
vol.26 夜の海に浮かぶ円盤の正体は…。

ここのところはイカやタコなど頭足類や魚の稚魚類の話題が多かったのですが、今回は久々に甲殻類の幼生のお話です。

以前のコラム vol.18のフィロゾーマ 〜単体移動編〜 でお話をしたものすごい形をしたフィロゾーマですが、今回はこれまたすごい次のステージ、ニスト幼生です。

遠目から見た第一印象はなんか円盤みたいなのが飛んでいるなぁ…という感じ。近づいてみると、やっとエビの姿だということがわかりました。ナイトで暗い中、ライト輝く様子はまさにUFOですね。

大瀬崎 2016年2月 ゾウリエビのニスト幼生 体長 約20cm 大瀬崎 2016年2月 ゾウリエビのニスト幼生 体長 約20cm

イセエビ・セミエビなどの仲間はフィロゾーマ幼生→ニスト幼生→稚エビ→成体へと姿を変えていきます。フィロゾーマなどの研究をされている広島大学助教の若林香織先生に聞いたところ、ニスト幼生の期間は短くて、周囲の環境によっては1週間、長くても3週間ぐらいとのことです。驚くべきことに、その間は何も食べない、つまり絶食状態!

ちなみに、ニスト幼生は、以前はプエルルス幼生と言われていましたが、今はウチワエビ類やセミエビ類では使われていないようです(イセエビ類などは今のところはプエルルス幼生という名前が使われています)

小笠原で見た2個体とセミエビ属の1種 体長 約5㎝

小笠原で見た2個体とセミエビ属の1種 体長 約5㎝ 小笠原で見た2個体とセミエビ属の1種 体長 約5㎝

ニスト幼生の期間は短いので、水中で出会うのは、とても珍しいとのこと。私が大瀬崎で浮遊しているのを確認したのは昨年の2月、水中写真家の阿部秀樹氏が見つけた1回のみ。そして今回、小笠原で撮影した2個体と合わせても3個体しか確認していない超レアものです。

こんなニスト幼生に、ライトトラップ中に会えたら超ラッキーだと思ってくださいね!

撮影場所 大瀬崎 小笠原父島

撮影協力 ウラシマン ダイビングサービス 小笠原

甲殻類同定協力 広島大学 若林香織 助教

ライン

コラムニスト

堀口 和重(ほりぐち・かずしげ)さん
西伊豆大瀬崎の<大瀬館マリンサービス>でガイドとして勤務。好きな生物は、クラゲ類・幼生類・ホタルイカモドキの仲間などの浮遊系。水中写真家・阿部秀樹氏のライトトラップに影響を受け、3年前よりナイトダイビングが可能な日は撮影&ガイドを行っている。1986年生まれ。

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